丸瀬青年のファームステイ〜海外編〜

今年の農繁期、丸瀬家では田植えやその他農業にまつわる作業に関心を寄せてくださる方をインターン生として募集しており、本日、6月参加のインターン生が丸瀬家にジョインしてくれます。(現在は7月の参加希望者募集中です!詳しくはこちら https://maruseke.jp/?p=2635

と、いまや受け入れる立場となった丸瀬にも、若き日々にはファームステイでのさまざまな出会いや経験があるわけで…!!

ということで、今回は丸瀬和憲、農家幕開け前夜についてインタビューしました。

(聞き手:スタッフ菱谷)

ファームステイとの出会い

菱谷:まるちゃんがどのような経緯で農家になったのか、関心を寄せられるポイントの一つかと思うんだけれど、確か、農家になる前に、「ウーフ」という制度を利用した農業体験を経験しているんだよね?

※ウーフ:「WWOOF」…World Wide Opportunities on Organic Farms 「世界に広がる有機農場での機会」の頭文字。WWOOFは、有機農場を核とするホストと、そこで手伝いたい・学びたいと思っている人とを繋いでいる。(ウーフジャパンサイトより)

丸瀬:遡ること、最初に経験したのは自分が大学生の頃のことだね。

大学の長期休暇を利用して、中国での植林ボランティアや、フランスやタイでの建築や教育関係のボランティアなど、自分の関心のあることに度々参加していたんだけれど、その後大学の勉強の傍ら、革製品の制作にのめり込んでいって。

革製品といえばイタリア、ならばぜひ現地に行ってみたいと、いろいろ調べているところでこのウーフという制度に出会った。

当時は「イタリアに滞在して、現地で言葉を習得したい」ということが目的だったんだけど、学生の立場で資金も少なくて、できるだけ滞在費を抑えたかった。

そういう目的と現状に照らして方法を探っていたところ、その条件に当てはまったのがウーフを利用しての滞在だったんだよね。

菱谷:農業に関心があったということではなく?

丸瀬:当時は全然農業に関わることを意図してはいなかったんだけど、実際に夏の間1ヶ月間イタリアのりんご農園にファームステイさせてもらって、純粋に楽しい!おもしろい!という経験をした。

菱谷:図らずも農業や農的暮らしの原体験的なものを経験したんだね。

丸瀬:その後、革製品の制作にのめり込んで、ヨーロッパに長期滞在しながら制作や販売もしていたんだけど、その頃、東日本大震災が起こったのをきっかけに、自分の中での人生観とか職業観を揺さぶられたんだよね。

それ以降、これから自分がしたいことを考えたときに、人の命に関わる、食べるものを生産する生業に就きたいと思うようになった…っていうのは、過去のインタビューでも詳しく話したよね。

過去のブログ記事はこちら https://maruseke.jp/?p=2504

菱谷:そうだったね、日本への帰国も決めて、その前にいろいろな農家を見たいということでファームステイをしたという話だったよね。

丸瀬:知り合いの方の紹介でアイルランドの農家さんに滞在して、その後、イギリスの農家さんのところにもお世話になったんだよね。

アイルランドとイギリスでのファームステイ

菱谷:そこでの経験はどんなものだった?

丸瀬:アイルランドではオーガニック野菜を少量多品目生産している同世代(当時20代中盤)のパトリック夫妻のところに滞在させてもらったんだけど、同居する彼らのご両親や、自分のようにウーファーとして滞在している若者たちと寝食を共にして3ヶ月過ごしたんだよね。

日曜日には作った野菜を持って街まで出てファーマーズマーケットで販売するんだけど、作ったものはこうやって売るのかとか、こうやって人と繋がるのか、みたいなことの原体験は確実にそこにあったね。

農家のご夫婦も、そこに集っているウーファーの人たちも若い子ばかりだったから、その中で一緒に過ごしてエネルギーをもらえた。

その後、ビザ事情もクリアしてイギリスにも半年間滞在できる事になって、「NAMAYASAI」という会社を営む日本人妻とイギリス人夫のご夫婦のもとでファームステイすることになった。

ここの農場長のロビンは、現地では珍しい日本野菜をオーガニックで栽培して、ロンドンなど都会の販売店や顧客に卸すというようなビジネスとして成り立たせていて、所有する土地やその将来の構想など規模感がすごかった。

菱谷:そういった海外での農業体験から、総じてどんな印象を受け取った?

丸瀬:例えばイタリアでファームステイした時は、こんなに休むんだ!って思ったのは覚えてるのね。

日本の農村のおばあちゃんたちって、なんか腰曲げながら本当に休まず、クタクタなりながら働くみたいなイメージが何処かにあったけど、イタリアではこんなにお茶休憩するんだ!みたいな。カフェ文化だからさ、みんな休みたがるわけよ。

で、夏の暑い時はシエスタで休もうか、っていう感じで。えー本当に休むんだこの人たち!ってびっくりしたよね。

で、日本の社会のことをちらっと想像する。絶対休んでなくない?うちら!って実感した。

アイルランドとかイギリスでは、同世代ぐらいの子たちとの関わりがあったのが本当におもしろかった。働きながら、立場は違うけど、マーケットに出店したりとか、刺激的だったし楽しかったな。

あとは、農業だけじゃなくて、食事の時間や家族の時間を大事にするとか、休日を大切にするみたいなこととか、日本では味わえなかったあの体験、っていうのは、いっぱいあったかな。

菱谷:羨ましい・・・今からでも行きたい衝動に駆られます笑

丸瀬:とはいえその頃は、まだ旅人の延長だから、農業を仕事とか生業として考える意識が希薄で、なんとかして生きてくっしょ!みたいなヒッピー精神だったからさ。

それじゃダメなんだ、「農」ではなくて、「農業」であるためにはどうすべきかっていうのは、帰国して岩手にある農園「ウレシパモシリ」での研修を経てリアルに学んでいったかな。

菱谷:海外での農業体験の第一章を経て、いよいよ日本に帰国してからが、農業を生業として学ぶ第二章が始まるのだね。

…ということで、続きは次回のブログで、「ウレシパモシリでの研修」エピソードをお届けします。


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