しばらくぶりのブログ更新となってしまいましたが、さて6月になり今年の田植えが始まりました。
丸瀬家というと、お店にいらしてくださる方にとってはお菓子を販売していたりカフェのイメージが大きいかもしれませんが、丸瀬夫婦の夫、丸瀬和憲さんは米農家!
毎年美味しいお米を作り今年で就農12年目。
ということで、なかなか普段は見えにくいお米づくりのことをご紹介したく、満を持してお米作りのことをインタビューします。
聞き手:丸瀬家スタッフ菱谷(以下 菱谷)
語り手:丸瀬和憲(以下 丸瀬)
丸瀬
お米のこと。そうだね、一般的なものと比較して何がうちの特徴なのかというと、
「自然栽培」っていう、肥料、農薬を使わない農法で作っていること。
農薬使わないっていうのは割と一般的なんだけど、肥料を使わないとなると、動物性、植物性、化学肥料のどれも使ってないよっていうのが特徴かな。
菱谷
世の中的に流通している「オーガニック」っていう言葉から連想するのって、農薬を使っていないというのが一般的な認識としてありそうだけど、まるちゃんの言う「肥料を使わない」っていうのは、あまり一般的ではないイメージ。
丸瀬
そうだね、肥料を与えないと作物ってできないんじゃないかっていうのがあるんじゃないかな、と。ほんとにできるの?それって育つの?みたいな。
菱谷
そうそう。
丸瀬
はるちゃん(聞き手 菱谷)は、多分菜園で野菜を作ることにも関心がある人だから、 肥料なくてもできるの?みたいな質問がぽんと浮かぶと思うんだけど、まあ本当に、できる 。自分が知ってる人で1番長く自然栽培をされている方だと、40年以上自然栽培で作物を作っておられる。この実態が日本にあるっていうのは、 この栽培方法ができるっていう事実に疑いようがないっていうか。
菱谷
長く確立されている農法なんだね。
丸瀬
うん、そしてその野菜はおいしいし、美しいし、自分も目指したいなっていう。
菱谷
なるほど。無農薬っていうと、農薬を使わずに作られた農作物を選ぶことで身体への悪影響を避けることとか、環境的にも配慮されているっていうイメージを持つんだけど、一方、肥料を与えないことで、どういう「いいこと」があるのかな。
丸瀬
分かりやすく言うと、虫が来ないよ、ということ。
多くの農家さんはみんなわかってるんだけど、肥料を与えると虫が来る。だから、農薬が必要になる。
菱谷
ほぉ。
丸瀬
だから農薬が先に作られるわけじゃなくて、いっぱい獲りたい早く獲りたいから、肥料をあげる。そうすると虫が来るから、薬を撒こうっていう流れなんよね。
つまり、肥料やらなかったらどうなるのかっていうと、ま、虫が来ないよねっていう。
ただ、肥料をやらないから、その分作物の生育がゆっくりになるし、多くの畑では収量が落ちる、みたいなことは起きる。
自然栽培で育つ作物は、基本的には生育が遅いし、小ぶりになることもあるんだけど、やっぱ、詰まってるのよ、細胞が。だから、傷みにくかったり、味が美味しいとか、 料理人さんとかが言うのは、包丁入れた時に全然違うねって。
肥料はね、窒素が主な成分なんだけど、窒素の役割っていうのは1個1個の細胞を水ぶくれさせて、実を大きくさせるという成分の特徴があって。だから肥料(窒素)をあげると、作物の見た目が大きくなるよね。
それらの作物の細胞は本来の細胞よりも大きくなっちゃったものだから、その細胞が弱い。そうすると、虫も来やすいとか、病気になりやすい、みたいな感じ。ざっくりと。
だから農薬と肥料っていうのは、切っても切れない関係で。
自然栽培っていうのは、そこの負の連鎖を断ち切って作物を作るっていう栽培方法のことかな。
菱谷
なるほど…自然栽培っていう農法の大筋がわかった!
丸瀬
農薬も肥料も使わないよってなったら、その栽培方法で喜ぶ品種を選んであげないといけない。
その環境で育つものが、いわゆる在来種とか固定種と呼ばれる、肥料設計とか農薬設計されていない種なんだよね。
菱谷
なるほど、そういったことを踏まえてこの土地にあったお米の品種を選んで作っている、というわけだね。
丸瀬
そう、それが「鳥取旭」。
菱谷
この品種を選ぶのは、スムーズだったの?
丸瀬
いや、ここにいきつくまでに4年かな。試行錯誤の期間だった。
今でも、もちろんね、試行錯誤は続いてるんだけど。
菱谷
やっと辿り着いたお米なんだね。この「鳥取旭」の特徴は?
丸瀬
大粒で、さっぱりした味わい。鳥取では戦前から食べられていた品種。
この土地ではめっちゃポピュラーだったから、鳥取県民の上の世代は食べてるんじゃないかな。ところが今は、知っている限り、鳥取旭を作っている農家さんは3件ぐらいじゃないかな。
菱谷
希少な品種のお米なんだね。わたしも毎日まるちゃんの作った鳥取旭を食べているけど、言う通りさっぱりしていて、どんなときでも食べたくなるお米。炊き立ては特に最高。今年の販売はまだ先になるれど、販売についても少しご案内を。
丸瀬
基本的には新米の販売開始は10月末から。お店を開ける際には「食べれる森シュトレン」でも買えるし、 丸瀬家のオンライン商店でも。在庫がいつなくなるのかはその年の出来高次第で変わるかな。
収穫時期になったら、またInstagramやブログを通して案内します。
菱谷
そしていよいよ田植え2024幕開けですね!順調に進みますように!
田植えの様子などは丸瀬家のinstagram でも随時お伝えしてまいります。
そちらも是非ご覧くださいね!